製品情報概要 開発の経緯

血友病B(先天性血液凝固第Ⅸ因子欠乏症)は、第Ⅸ因子の量的又は質的な欠乏を特徴とするⅩ染色体連鎖劣性遺伝性の出血障害であり、主に男性に発症します。血友病A及びBは全世界で46万人が罹患していると推定され、このうち血友病Bは約20%を占めています1)。発展途上国の血友病患者の大半(約75%)は未診断とされているため、世界血友病連盟(WFH)に報告されている血友病B患者は約25,000人であり1)2)、国内では平成26年度の血液凝固異常症全国調査により1,034人(男性:1,020人、女性:14人)の血友病B患者が確認されています。健康成人における第Ⅸ因子活性の範囲は通常50~150%といわれ、日本血栓止血学会が発行している「インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン」では、血友病患者の重症度を1%未満が重症、1~5%未満が中等症、5%以上が軽症に分類しています。

血友病は、重篤かつ生命を脅かす疾患です。重症血友病患者の場合、軟部組織や関節の自然出血又は外傷性出血が頻繁に再発し、関節障害、筋拘縮及び重度の身体障害を引き起こすほか、関節腫脹、関節痛、筋痛、粘膜出血及び胃腸出血などの症状が認められ、身体的並びに心理社会的な健康状態、生活の質(QOL)に対して著しい影響を与えることが報告されています3)4)。第Ⅸ因子製剤の定期的な投与は、血友病B患者の長期的な転帰を改善することが知られており、投与回数を低減するために、このたび長時間作用を目的とした第Ⅸ因子製剤であるオルプロリクスが開発されました。オルプロリクスはヒト遺伝子組換え血液凝固第Ⅸ因子とヒト免疫グロブリンG1(IgG1)のFc領域が融合した構造をもち、IgG1のFc領域は、Neonatal Fc 受容体(FcRn)との作用を介してリソソーム分解を受けずに循環血液中に再循環されることで、血漿中消失半減期は延長されます。

本剤の血友病B患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱa相試験は米国及び香港で実施され、その後第Ⅲ相試験が、日本を含む17ヵ国で実施されました。本剤の薬物動態、安全性、有効性に関するデータはこれら2つの臨床試験に基づいて評価され、わが国では2014年7月に、「血液凝固第Ⅸ因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果として承認されました。

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