製品情報概要 開発の経緯

血友病A(先天性血液凝固第Ⅷ因子欠乏症)は、第Ⅷ因子の量的又は質的な欠乏を特徴とするⅩ染色体連鎖劣性遺伝性の出血性疾患であり、主に男性に発症します。全世界の血友病Aの発症率は男子出生数5,000人に約1人で、世界血友病連盟(WFH)に報告されている血友病A患者は約142,000人ですが、発展途上国の血友病患者の大半(約75%)は未診断とされています1, 2)。国内では平成26年度の血液凝固異常症全国調査により、4,870人(男性:4,835人、女性:35人)の血友病A患者が確認されています3)。日本血栓止血学会が発行している「インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン」では、血友病患者の重症度について、凝固因子活性が1%未満を重症、1~5%未満を中等症、5%以上を軽症に分類しています。

血友病は、軟部組織や関節の自然出血又は外傷性出血を頻繁に繰り返し、関節障害、筋拘縮及び重度の身体障害を引き起こすほか、関節腫脹、関節痛、筋痛、粘膜出血及び胃腸出血などの症状が認められ、身体的並びに心理・社会的な健康状態、生活の質(QOL)に対して著しい影響を与えることが報告されています4,5)。第Ⅷ因子製剤の定期的な投与は出血を未然に防ぎ、関節障害の発生を抑制し、血友病A患者の長期的な転帰を改善することが知られており、投与回数低減のため、このたび長時間作用を目的とした第Ⅷ因子製剤であるイロクテイトが開発されました。イロクテイトはBドメイン除去型ヒト遺伝子組換え血液凝固第Ⅷ因子とヒト免疫グロブリンG1(IgG1)のFc領域が融合した構造をもち、IgG1のFc 領域は、Neonatal Fc 受容体(FcRn)との作用を介してリソソーム分解を受けずに循環血液中に再循環されることで、血漿中消失半減期が延長します。

イロクテイトの血友病A患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験は、日本を含む19ヵ国60施設で実施されました。イロクテイトの薬物動態、安全性、有効性に関するデータは海外第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験及び国際共同第Ⅲ相臨床試験に基づいて評価され、わが国では2014年12月に、「血液凝固第Ⅷ因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を効能・効果として承認されました。

PAGE TOP