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血漿中第Ⅷ因子活性

1.単回投与時の血漿中薬物動態パラメータ(12歳以上の患者)[外国人データ]8)

海外第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験において、治療歴のある12歳以上の先天性重症血友病A男性患者にイロクテイト及びルリオクトコグ アルファを単回投与したところ、イロクテイトのCmax及び上昇値はルリオクトコグ アルファの0.9~1.0倍で同等でした。
イロクテイトのクリアランス(CL)はルリオクトコグ アルファよりも減少し、これに伴いイロクテイトはt1/218.8時間、平均滞留時間(MRT)27.0時間で、ルリオクトコグ アルファの1.5~1.7倍でした。
投与後に第Ⅷ因子活性がベースライン+1IU/dLに減少するまでの予測時間(Time1%)及び+3IU/dLに減少するまでの予測時間(Time3%)においても、イロクテイトは25IU/kg投与群、65IU/kg投与群でそれぞれ4.4~5.2日、3.2~4.0日に対しルリオクトコグ アルファは2.9~3.1日、2.1~2.4日で、イロクテイトはルリオクトコグ アルファの1.5~1.7倍でした。

イロクテイト及びルリオクトコグ アルファの用量群別単回投与時の薬物動態パラメータ(凝固一段法)
薬物動態パラメータ平均値 25IU/kg群(n=6) 65IU/kg群(n=9)
イロクテイト ルリオクトコグアルファ 幾何平均比
(p値)
イロクテイト ルリオクトコグアルファ 幾何平均比
(p値)
Cmax_OBS
(IU/dL)
60.5
(53.1, 69.0)
63.6
(59.1, 68.3)
0.95
(0.82, 1.11)
(p=0.440)
119
(103, 136)
133
(105, 168)
0.90
(0.80, 1.01)
(p=0.061)
AUCINF
(IU・h/dL)
1480
(1160, 1880)
994
(723, 1370)
1.48
(1.26, 1.76)
(p=0.002)
2800
(1980, 3970)
1800
(1350, 2400)
1.56
(1.33, 1.83)
(p<0.001)
t1/2(h) 18.8
(14.8, 23.8)
12.2
(9.1, 16.3)
1.54
(1.40, 1.69)
(p<0.001)
18.8
(14.3, 24.5)
11.0
(8.8, 13.9)
1.70
(1.54, 1.89)
(p<0.001)
CL(mL/h/kg) 1.68
(1.31, 2.15)
2.49
(1.80, 3.45)
0.67
(0.57, 0.80)
(p=0.002)
2.32
(1.64, 3.29)
3.61
(2.71, 4.83)
0.64
(0.55, 0.75)
(p<0.001)
MRT(h) 27.0
(21.3, 34.2)
17.5
(13.1, 23.4)
1.54
(1.40, 1.69)
(p<0.001)
27.0
(20.6, 35.3)
15.8
(12.6, 19.9)
1.71
(1.54, 1.89)
(p<0.001)
V(mL/kg) 45.4
(39.3, 52.5)
43.9
(39.3, 49.0)
1.04
(0.95, 1.13)
(p=0.357)
62.8
(55.2, 71.5)
57.4
(48.3, 68.3)
1.09
(0.98, 1.22)
(p=0.107)
上昇値
[(IU/dL)/(IU/kg)]
2.44
(2.12, 2.81)
2.56
(2.36, 2.78)
0.95
(0.82, 1.11)
(p=0.444)
1.83
(1.59, 2.10)
2.04
(1.61, 2.59)
0.89
(0.80, 1.01)
(p=0.060)
Time 1%(日) 4.4
(3.6, 5.6)
2.9
(2.2, 3.9)
1.53
(1.36, 1.71)
(p<0.001)
5.2
(3.9, 6.8)
3.1
(2.4, 3.9)
1.68
(1.49, 1.88)
(p<0.001)
Time 3%(日) 3.2
(2.6, 4.1)
2.1
(1.6, 2.9)
1.52
(1.33, 1.73)
(p<0.001)
3.9
(2.9, 5.2)
2.4
(1.9, 3.0)
1.65
(1.46, 1.86)
(p<0.001)
  • ( ):95% CI ANOVA
対 象:
治療歴のある12歳以上の先天性重症血友病A男性患者15例
方 法:
25IU/kg群では、試験開始前の補充療法から最長28日間の休薬後にルリオクトコグ アルファ25IU/kgを単回投与し、検体を投与直前、投与10分、0.5、1、3、6、9、24、48及び72時間後に採取し、72時間の休薬後にイロクテイト25IU/kgを単回投与して、検体を投与直前、投与10分、0.5、1、3、6、9、24、48、72、96、120及び168時間後に採取した。65IU/kg群では、試験開始前の補充療法から最長28日間の休薬後にルリオクトコグ アルファ65IU/kgを単回投与して検体を採取(上記時間及び96時間後)し、96時間の休薬後にイロクテイト65IU/kgを単回投与して検体を採取(上記時間及び192、216、240時間後)し、第Ⅷ因子活性の経時的推移を評価した。

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2.イロクテイト及びルリオクトコグ アルファの薬物動態パラメータ(12歳以上の患者)
[日本人及び外国人データ]6,7)

国際共同第Ⅲ相臨床試験において、治療歴のある12歳以上の先天性重症血友病A男性患者にイロクテイト及びルリオクトコグ アルファを単回投与したところ、第Ⅷ因子活性のCmaxは投与直後に認められ、t1/2はイロクテイト19.0時間、ルリオクトコグ アルファ12.4時間で、イロクテイトはルリオクトコグ アルファの1.5倍でした。MRTはイロクテイト25.2時間、ルリオクトコグ アルファ16.8時間、Time1%はイロクテイト4.9日、ルリオクトコグ アルファ3.3日でした。またイロクテイトの上昇値は2.2(IU/dL)/(IU/kg)でした。

イロクテイト及びルリオクトコグ アルファの第Ⅷ因子活性の経時的推移(コンパートメントモデル:凝固一段法)

対 象:
治療歴のある12歳以上の先天性重症血友病A男性患者28例(個別化群;逐次的PKサブグループ)
方 法:
試験開始前の補充療法から96時間以上の休薬後にルリオクトコグ アルファ50IU/kgを単回投与し、検体を投与直前、投与10/30分、1、6、24、48及び72時間後に採取した。96時間以上休薬した後、イロクテイト50IU/kgを単回投与し、検体を投与直前、投与10/30分、1、6、24、72、96及び120時間後に採取して第Ⅷ因子活性の経時的推移を評価した。

Cmax=最高血漿中第Ⅷ因子活性、Cmax_OBS=Tmax時点の最高観察濃度(ベースライン及び残薬を減算)、AUCINF=0から無限大時間までの血漿中第Ⅷ因子活性-時間曲線下面積、t1/2=消失半減期、MRT=平均滞留時間、CL=クリアランス、V=分布容積、Vss=定常状態の分布容積、上昇値=患者体重1kg当たりの投与量を本剤投与により増加した第Ⅷ因子レベルの量で割った値、Time1%=投与から第Ⅷ因子活性がベースライン+1IU/dLに減少するまでの予測時間、Time3%=投与から第Ⅷ因子活性がベースライン+3IU/dLに減少するまでの予測時間

イロクテイト及びルリオクトコグ アルファの単回投与時の薬物動態パラメータ(コンパートメントモデル:凝固一段法)
薬物動態パラメータ
平均値
イロクテイト
(n=28)
ルリオクトコグ アルファ
(n=28)
幾何平均比(n=28)
(p値)
Cmax(IU/dL) 107.7
(101.2, 114.6)
119.6
(111.5, 128.3)
0.90(0.86, 0.95)
(p<0.001)
AUC/投与量
[(IU・h/dL)/(IU/kg)]
51.2
(45.0, 58.4)
32.9
(29.3, 36.9)
1.56(1.46, 1.67)
(p<0.001)
t1/2(h) 19.0
(17.0, 21.1)
12.4
(11.1, 13.9)
1.53(1.36, 1.71)
(p<0.001)
CL(mL/h/kg) 1.95
(1.71, 2.22)
3.04
(2.71, 3.41)
0.64(0.60, 0.69)
(p<0.001)
MRT(h) 25.2
(22.7, 27.9)
16.8
(15.2, 18.6)
1.49(1.41, 1.58)
(p<0.001)
Vss(mL/kg) 49.1
(46.6, 51.7)
51.2
(47.2, 55.5)
0.96(0.90, 1.02)
(p=0.197)
上昇値
[(IU/dL)/(IU/kg)]
2.24
(2.11, 2.38)
2.35
(2.21, 2.50)
0.95(0.91, 0.99)
(p=0.025)
生体内回収率(%) 91.1
(85.7, 96.9)
95.8
(90.3, 101.5)
0.95(0.91, 0.99)
(p=0.022)
Time 1%(日) 4.9
(4.4, 5.5)
3.3
(3.0, 3.6)
1.49(1.41, 1.57)
(p<0.001)
Time 3%(日) 3.7
(3.3, 4.1)
2.5
(2.2, 2.7)
1.50(1.42, 1.58)
(p<0.001)
  • ( ):95% CI ANOVA

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3.投与14 週時の血漿中薬物動態パラメータ(12歳以上の患者)[日本人及び外国人データ]6)

国際共同第Ⅲ相臨床試験において、イロクテイト投与におけるベースライン時及び投与14週時の薬物動態パラメータを比較したところ、主要な薬物動態パラメータの幾何平均比は0.92~1.07で、14週間にわたり比較的安定していることが示されました。

イロクテイトのベースライン時及び投与14週時の薬物動態パラメータ(コンパートメントモデル:凝固一段法)
薬物動態パラメータ
平均値
ベースライン時
(n=27)
投与14週時
(n=27)
幾何平均比
(n=27)
Cmax(IU/dL) 106.7
(100.2, 113.7)
115.5
(103.1, 129.4)
0.92
(0.83, 1.03)
AUC/投与量
[(IU・h/dL)/
(IU/kg)]
51.5
(45.2, 58.7)
48.9
(42.1, 56.9)
1.05
(0.97, 1.15)
t1/2(h) 19.1
(17.2, 21.3)
17.9
(16.1, 19.8)
1.07
(0.98, 1.17)
CL(mL/h/kg) 1.94
(1.70, 2.21)
2.04
(1.76, 2.38)
0.95
(0.87, 1.04)
MRT(h) 25.5
(23.1, 28.1)
24.8
(22.0, 28.0)
1.03
(0.97, 1.10)
Vss(mL/kg) 49.5
(46.6, 52.6)
50.7
(47.4, 54.2)
0.98
(0.92, 1.04)
上昇値
[(IU/dL)/(IU/kg)]
2.19
(2.05, 2.33)
2.24
(2.07, 2.41)
0.98
(0.92, 1.04)
生体内回収率(%) 88.7
(83.7, 94.1)
90.5
(85.2, 96.1)
0.98
(0.92, 1.04)
Time1%(日) 5.0
(4.5, 5.5)
4.8
(4.3, 5.4)
1.03
(0.97, 1.09)
Time3%(日) 3.7
(3.4, 4.2)
3.6
(3.2, 4.1)
1.03
(0.96, 1.09)
  • ( ):95% CI
対 象:
治療歴のある12歳以上の先天性重症血友病A男性患者27例(個別化群;逐次的PKサブグループ)
方 法:
イロクテイト50IU/kgを単回投与し、検体を投与直前、投与10/30分、1、6、24、72、96及び120時間後に採取してベースライン時とした。個別化群の用法・用量で14日間投与後、検体を投与直前、投与10/30分、1、6、24、72、96及び120時間後に採取して、第Ⅷ因子活性の薬物動態をベースライン時と投与14週時で評価した。

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4.日本人及び外国人患者における血漿中薬物動態パラメータ(12歳以上の患者)6)

国際共同第Ⅲ相臨床試験において、治療歴のある12歳以上の先天性重症血友病A男性患者にイロクテイトを単回投与し、日本人13例における薬物動態パラメータを評価したところ、日本人と外国人の薬物動態の間に明らかな違いは認められませんでした。

日本人及び外国人における単回投与時の薬物動態パラメータ(ノンコンパートメントモデル:凝固一段法)
薬物動態パラメータ
平均値
日本人
(n=13
外国人
(n=28)
AUC/投与量
[(IU・h/dL)/(IU/kg)]
42.0
(34.0, 51.9)
48.4
(42.1, 55.7)
t1/2(h) 19.0
(15.7, 23.1)
18.2
(16.3, 20.4)
CL(mL/h/kg) 2.38
(1.93, 2.94)
2.07
(1.80, 2.37)
MRT(h) 27.0
(22.1, 32.9)
24.9
(22.4, 27.7)
Vss(mL/kg) 64.3
(61.5, 67.1)
51.4
(48.4, 54.7)
上昇値
[(IU/dL)/(IU/kg)]
1.68
(1.54, 1.84)
2.22
(2.08, 2.36)
  • ※イロクテイト及びルリオクトコグ アルファの薬物動態を評価した日本人患者1例、イロクテイトのみの薬物動態を評価した日本人患者12例
  • ( ):95% CI
対 象:
治療歴のある12歳以上の先天性重症血友病A男性患者[日本人13例(個別化群:9例、週1回群:3例、出血時群:1例)、外国人28例(全て個別化群)]
方 法:
日本人ではイロクテイト50又は65IU/kgを単回投与し、検体を投与直前、投与30分、1、6、24、72、96及び120時間後に採取、外国人では50IU/kgを単回投与し、検体を投与直前、投与10/30分、1、6、24、72、96及び120時間後に採取して第Ⅷ因子活性の薬物動態を日本人と外国人で評価した。

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5. 単回投与時の血漿中薬物動態パラメータ(小児患者)[外国人データ]9,10)

治療歴のある12歳未満の先天性重症血友病A男児患者にイロクテイトを単回投与したところ、上昇値が6歳未満では1.9(IU/dL)/(IU/kg)、6~12歳未満では2.3(IU/dL)/(IU/kg)であり、12~18歳未満の1.8(IU/dL)/(IU/kg)に比べて高いことが示されました。またCLも6歳未満が3.5mL/h/kgで、6~12歳未満の2.6mL/h/kg、12~18歳未満の2.6mL/h/kgに比べて高いことが示されました。

小児における単回投与時の薬物動態パラメータ(ノンコンパートメントモデル:凝固一段法)
薬物動態パラメータ
平均値
12歳未満を対象とした試験 12歳以上を対象とした試験
(国際共同第Ⅲ相臨床試験)
6歳未満(1~5歳)
(n=23)
6~12歳未満(6~11歳)
(n=31)
12~18歳未満(12~17歳)
(n=11)
AUC/投与量
[(IU・h/dL)/
(IU/kg)]
27.1
(21.5, 34.1)
39.9
(33.9, 47.0)
38.2
(34.0, 42.9)
t1/2(h) 12.3
(11.0, 13.7)
13.5
(11.4, 15.8)
16.0
(13.9, 18.5)
CL(mL/h/kg) 3.46
(3.06, 3.91)
2.61
(2.26, 3.01)
2.62
(2.33, 2.95)
MRT(h) 15.8
(12.9, 19.3)
19.2
(16.2, 22.8)
22.7
(19.7, 26.1)
Vss(mL/kg) 57.9
(54.1, 62.0)
49.5
(44.1, 55.6)
59.4
(52.7, 67.0)
上昇値
[(IU/dL)/(IU/kg)]
1.90
(1.79, 2.02)
2.30
(2.04, 2.59)
1.81
(1.56, 2.09)
  • ( ):95% CI
対 象:
治療歴のある12歳未満の先天性重症血友病A男児患者37例(6歳未満:10例、6~12歳未満:27例)及び治療歴のある12~18歳未満の先天性重症血友病A男性患者11例
方 法:
12歳未満の男児患者に対しては、イロクテイト50IU/kgを単回投与後に検体を投与直前、投与30分、3、24、48、72時間後に採取した。12~18歳未満の患者に対しては国内第Ⅲ相臨床試験における全ての投与群から検体を採取(個別化群ではイロクテイト50IU/kgを単回投与後に逐次的PKサブグループ:検体を投与直前、投与10/30分、1、6、24、72、96及び120時間後に採取、非逐次的PKサブグループ:検体を投与直前、投与10/30分、3、72及び96時間後に採取、週1回群ではイロクテイト65IU/kgを単回投与後に検体を投与直前、投与10/30分、3、72及び96時間後に採取、出血時群ではイロクテイト50IU/kgを単回投与後に検体を投与直前、投与10/30分、3、72及び96時間後に採取)して、第Ⅷ因子活性の薬物動態を評価した。

使用上の注意(抜粋)
6.小児等への投与

12歳未満の小児では、通常よりも高い投与量及び頻回の投与が必要となる可能性があるため、投与量及び投与頻度の調整について適宜検討すること。

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