出血したときは

出血したときは。出血したときの対処の方法は、出血した部位や出血の程度によって変わります。治療の基本は補充療法ですが、軽度の出血ならば補助的な治療(RICE)だけでも止血できます。大切なのは、早く出血に気づき、早く適切な処置を行い、できるだけ早く血を止めることです。補充療法を行う場合は、出血してからできる限り早くに注射をすることが望まれます。

補充療法

凝固因子は一般に正常な人の20~40%あれば止血ができるとされています(ただし重症の出血や手術の場合は、100%近くまで上昇させる必要があります)。補充療法では、血液中の凝固因子が目的とするレベルになるように補充しますが、投与した凝固因子は時間がたつとだんだん活性が減っていくので、1日に1~2回の頻度で追加投与を行わなくてはなりません。

RICE(補助的な治療)

Rest(安静)

出血しそうなときや出血しているときは、出血を最小限にとどめるため、出血部位をできるだけ動かさないようにします。また注射をした後も、再出血を防ぐために安静が必要です。乳幼児で安静が難しい場合は、プラスチック製の副木やギプスなどを使って固定する方法もあります。

Rest(安静)

Ice(冷却)

氷嚢や冷却剤(タオルに包んだもの)、冷湿布、冷えたタオルなどで出血した部分を冷やします。血管が収縮して血が出にくくなる効果や、熱を吸収し痛みを軽減する効果があります。

Ice(冷却)

Compression(圧迫)

出血部分にタオルやガーゼなどを当てて適度に圧迫することで、止血を助けます。関節内出血では、サポーターや圧迫包帯も有効です。

Compression(圧迫)

Elevation(拳上)

出血した部分を高くして安静にします。出血量を抑える効果があります。

Elevation(拳上)

抗線溶剤

私たちの身体の止血システムの中に、「線溶」というプロセスがあります。出血を止めるためにできた血の塊を、傷が修復した後に分解し、血液の中に流す作用です。鼻・口の中・消化管などの粘膜部分はこの作用が強く、せっかくできた血の塊がはがれやすいので、トラネキサム酸などの「抗線溶剤」と呼ばれる薬を投与して、止血を助けることがあります(ただし、血尿など腎臓に障害がある場合は使用を避けます)。

出血部位とその対処法

関節内出血・筋肉内出血

できるだけ早く補充療法を行い、出血部分にはRICEの処置を行います。出血を繰り返す場合は、定期的な投与を行います。筋力の低下や拘縮(こうしゅく)を防ぐために、リハビリテーションを行うことも大切です。

口腔内・歯肉出血

清潔な脱脂綿やガーゼなどを噛ませて圧迫します。抗線溶剤で止血できる場合もあるので、主治医に相談して内服薬を自宅に保存しておくとよいでしょう。それでも血が止まらないときは、補充療法を行います。

消化管出血・頭蓋内出血

至急、医療機関に連絡して、補充療法を行ってください。入院して検査と治療を行う必要があります。

首やのどの出血

血液が気道を圧迫して呼吸が止まってしまうこともあるので、すぐに医療機関に連絡をして補充療法を行ってください。入院が必要な場合もあります。

皮下出血

冷却剤などで患部を冷やして、腫れや痛みを和らげます。原則として補充療法は必要ありませんが、症状が強い場合や目の周り・首など、視力や呼吸に影響を与えるような場所の場合は、補充療法を行います。

鼻出血

清潔な脱脂綿やガーゼを鼻に詰め、外から指で鼻の両脇をつまんで5~20分圧迫します。また鼻の付け根をタオルに包んだ氷や冷却剤などで冷やしても、効果があります。それでも血が止まらない場合は、補充療法を行います。

血尿

安静にして水分補給をします。長く続く場合には、補充療法を行います。抗線溶剤は服用してはいけません。

切り傷・すり傷

軽いものなら、洗い流して清潔にし、圧迫するだけで止血できます。縫わなくてはならないような傷のときは、処置の前に補充療法を行います。

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