定期的な投与のメリット

定期的な投与のメリット 出血する前に定期的に凝固因子を補充して出血を減らすことと、関節症の発症を防ぐことを目的に、定期的な投与は行われます。身体的な面だけでなく、心理面や生活の質全体に、さまざまなメリットをもたらします。

凝固因子製剤の定期的な投与とは

重症(因子活性1%未満)の血友病患者さんにとって、繰り返す出血や、それが原因で起こる血友病性関節症などの慢性の障害は、将来外科手術が必要になるリスクとなるだけでなく、日常生活を送る上でも大きなストレスになります。
一方、中等症(因子活性1~5%未満)や軽症(因子活性5%以上)の患者さんは、因子活性は数%しか違わないのに、関節内出血も関節症も、とても軽いか症状が全くみられないで過ごしている人が多いということがわかってきました。このことから、重症の患者さんの因子活性レベルを中等症や軽症と同程度に維持することで、「出血や血友病性関節症を予防できるのでは」と始められたのが、凝固因子製剤の定期的な投与です。その効果が認められ、現在では重症の患者さんだけでなく、中等症や軽症の患者さんにも行われています。

投与方法

週に2~3回、止血ができるレベル(1%以上)に因子活性が保たれるよう、凝固因子製剤を注射します。長時間作用を目的に開発された凝固因子製剤が使用できるようになれば、注射は週1~2回程度ですむ場合があります。

投与方法

定期的な投与のメリット

  • 自然出血や筋肉内・関節内出血の回数が少なくなります。そのため、血友病性関節症をはじめとする慢性障害の発症も、予防することが期待できます。
  • 出血の回数が減ることで、生活の中のストレスが軽減されます。実際に出血回数が減ったことで、学校の欠席や会社の欠勤日数が減った例が報告されており、安定した学校・社会生活によって、将来の人生全体の質も上げることが期待されます。
  • スポーツや活動への制限が少なくなり、よりのびのびと学校・社会生活を送ることができるようになります。
  • 定期的な投与(定期補充療法)は、2歳未満か、関節損傷を起こす前から始めて長期間続ける「一次定期補充療法」がよいとされていますが、すでに関節症を発症している年長児や成人している患者さんに行う「二次定期補充療法」でも、関節症の進行が止まったり抑えられたりする効果があることがわかってきました。また、関節内出血だけでなく、頭蓋内出血や消化管出血などの命に関わる重篤な出血も予防できるので、毎日の生活の中で患者さんや家族が感じているこれらの出血に対する不安や恐怖などの心理的なストレスも、軽減することができます。

定期的な投与のメリット

定期的な投与のデメリット

現在の治療薬では、「注射を頻繁にしなくてはならない」ということが、定期的な投与のデメリットといえます。子供の場合、週に何回も通院しなくてはならないことがあります。また注射の回数が多い分、感染の危険性も高くなります。 現在、従来の製剤よりも効き目の長い「長時間作用」の凝固因子製剤が開発されています。将来は、注射の回数は今よりももっと少なく、もっと安心・安全に治療ができる可能性が広がっているのです。

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