みんなの体験談

10代の患者さんに聞きました:
Vol.3 こんなとき、どうしてる?
学校生活のこと

10代の患者さんに聞きました:
Vol.3 こんなとき、どうしてる?
学校生活のこと

みんなの体験談

「患者さんやご家族の座談会」のみんなの声を、トピックごとに紹介します。

#病気の伝え方 #学校に話す #友だちに話す

Fさん
Fさんの場合

小中学生の頃は、学校への説明は母に任せていましたが、高校生になる頃には自分でも血友病について十分に理解できていたので、自分で説明することが多かったですね。友だちには、血友病のことはあまり話していなかったと思います。もちろん、親しい友だちには伝えていましたが、それほど親しくない人にはわざわざ話すことはありませんでした。

Hさん
Hさんの場合

小さい頃は親に頼っていましたが、血友病との付き合い方がわかってきてからは自分で話すようにしていました。ただ、今は定期補充療法をきちんとしていれば出血は防げる時代なので、血友病であることを誰にでも話す必要はないかもしれません。血友病の当事者と、血友病のことを漠然と知っている人とでは捉え方も違うので、かえって必要以上に心配させてしまうこともあると思います。友だちにも、必要なときだけ話すようにしています。

Iさん
Iさんの場合

まだ小さかったのであまりよく覚えていないのですが、自分の場合は、小学校に入学したときに、全校集会で血友病であることが児童全員に伝えられるということがありました。たぶん、「病気のことを伝えてもかまわない」とお話ししたからだと思うのですが、まさか全校集会で伝えられるとは、親も予想していなかったようです。もちろん、良かれと思ってしてくださったのだと思いますが、その後、上級生から絡まれたりするといったことも経験しました。親しい同級生だけに伝わっていれば十分だったかもしれません。

#部活 #体育

Fさん
Fさんの場合

高校のときはバドミントンをしていました。ときどき出血して、保健室に置いてある製剤を注射することはありましたが、大きな出血に悩まされることはなかったですね。試合前にハードな練習をしているときでも、特に注射の回数を増やさなくても大丈夫でした。普段の定期補充療法で十分にコントロールできていたと思います。

Hさん
Hさんの場合

僕はスケートボードをしていますが、出血して困ったという経験は特にありません。定期補充療法をしっかり続けていたからだと思います。

Iさん
Iさんの場合

ソフトテニスをしていますが、僕も特に困ったことはありません。先生は心配してくださっていましたが、今のところ出血はなく活動できています。

Gさん
Gさんの場合

私の場合、月経の期間がとても長くて、1ヵ月続いたと思ったら、終わってすぐまた始まり、また1ヵ月続く、みたいな状態だったんです。だからプールの授業などは休んでばかりで、「ズルしてる」みたいに思われたことはありましたね。「生理なら仕方がないよね」と受け取られていたと思いますが、やっぱり少し後ろめたい気持ちはありました。

#女性血友病

Gさん
Gさんの場合

血友病と診断されたときは、落ち込むとかそういう気持ちはなくて、むしろ「嬉しい」という気持ちの方が大きかったかもしれません。というのも、昔から出血しやすくて、生理の症状も重くて(経血量が多い、生理痛がひどいなど日常生活に支障をきたす状態)、婦人科にも通ったけどなかなかよくならなくて、ということがあったので、血友病と診断されたことで適切な治療が受けられるようになり、私にとっては本当にありがたかったです。経済的な負担が軽くなったことも大きかったです。
血友病の治療を始めてからは症状も軽くなりました。製剤を注射すれば出血は抑えられるので、血友病の治療を始める前と後では症状がぜんぜん違います。

#受診 #通院

Hさん
Hさんの場合

病院へは親の車で送ってもらいますが、診察はひとりで受けています。物心ついた頃から、ずっとそうですね。運転免許を取ったら、親に頼らずに通院しようと思っています。

Fさん
Fさんの場合

自分は小学校3年生か4年生くらいの頃からひとりで通院しています。ちょうど自己注射を始めた頃ですね。製剤の量が多くても、頑張って自分で持ち帰っています。前に通っていた病院は自転車で10分ほどの距離でしたが、今は電車で1時間くらいかけて通院しています。

Gさん
Gさんの場合

私はひとりで通院したことはないんです…。いつも母と一緒に行っています。父が血友病なので、母は病気のことをよく理解していて、診察ではいつも母が先生と話していました。でも、私ももう大人ですし、血友病のことは理解するようになったので、最近は私も先生とよく話します。いろいろな決め事も私自身が判断するようにしています。

#自己注射

Gさん
Gさんの場合

利き手が左ということもあり、右腕の外側にしか打てないのですが、血管に針をうまく刺すことができなくてスランプに陥ることがありました。うまくいくときは5分もかからないのに、うまくいかないときは30分くらいかかってしまうこともあって。看護師さんの場合や先生がわざわざ時間を取ってくださり、「注射を頑張ろう会」を開いていただいたのですが、うまくいかなくて、途中で意識を失ってしまったこともありました。

Iさん
Iさんの場合

僕はこれまで、1回だけうまくいかなかったことがあります。そのときは、隣に住んでいる看護師さんの場合にお願いして注射してもらいました。右手でも左手でも打てるので、失敗は少ないほうだと思います。

Fさん
Fさんの場合

自己注射を始めた小学校高学年から中学生になった頃はよく失敗していました。ずっと同じ部位に打っていたので、その部分が硬くなってしまって。そういうときは、母に打ってもらいました。

Hさん
Hさんの場合

自分は手の甲に注射していますが、やはり同じ部位にばかり打っているのでその部分は硬くなっています。ただ、血管が逃げてしまったときは、その逃げた血管に位置を合わせて刺すというコツがわかるようになったので、それでうまくできています。

#不安

Gさん
Gさんの場合

私は確定保因者なので、以前は結婚できるのかどうかが心配でした。子どもが血友病の遺伝子を引き継ぐ可能性があるので、それを、相手というよりは相手のご両親がどう思われるかということが気になってしまって。もちろん、私自身が子どもを支えていけるかどうかという不安もありました。
最近は、あまり気にする必要はないのかなと考えるようになりました。血友病の治療も進歩していて、普通の人と変わらない生活ができるようになっているからです。親も「大丈夫、大丈夫」と励ましてくれます。だから以前ほどの不安は感じていません。

#将来の夢

Iさん
Iさんの場合

まだはっきりとした夢はありませんが、血友病の治療で経験してきたことを活かせる職業に就けたら嬉しいですね。

Fさん
Fさんの場合

私も具体的には決まっていませんが、情報を扱う仕事や、データサイエンティストのような職業に興味があります。医療系のデータを取り扱う仕事であればなおよいですね。

Hさん
Hさんの場合

自分は絵を描くことが好きなので、それに関連した仕事ができるといいなと思っています。

Gさん
Gさんの場合

私は小さい頃から医療系の仕事に就くことが夢でした。今は医療系の専門学校に通っていて、将来は保健師の資格を取りたいと思っています。行政保健師として仕事ができたら嬉しいですね。これまで、多くの医療者の方々に支えられてきたので、今度は私が「人と医療をつなげる橋渡し」的な役割を担うことができたらいいなと思っています。

#親への感謝

Hさん
Hさんの場合

面と向かって言ったことはないのですが、やっぱり、これまで育ててもらったことにはとても感謝しています。

Fさん
Fさんの場合

小さい頃は半年に1回は足首をケガしていたので、親には心配をかけたと思います。「ありがとう」のひと言が素直に言えないんですけど、感謝の気持ちはいつも持っています。

Iさん
Iさんの場合

注射をしてもらったあとに「ありがとう」と言うことはあっても、日頃の感謝を伝えることはないかもしれません。でも、この座談会が終わったら伝えようと思います。

Gさん
Gさんの場合

診察はいつも母と一緒です。血友病は難しい病気ですし、女性ならではの困りごともあるので、母が一緒に受診してくれることにとても安心感があります。いつも支えてもらっていることに、とても感謝しています。