血友病とは

血友病の患者数と重症度

【監修】医療法人財団 荻窪病院 血液凝固科
鈴木 隆史 先生

血友病患者さんの人数は

世界血友病連盟(World Federation of Hemophilia:WFH)が2020年に集計したデータ1)によると、血友病をはじめとする血液凝固異常症の人々は分かっているだけで世界120ヵ国に347,026人いて、そのうち血友病は世界で209,614人いると報告されています。

日本では、2021年のデータ2)によると血液凝固異常症が9,639人で、そのうち血友病Aは5,657人、血友病Bは1,252人となっています。

また、日本の血友病の98.5%は男性です(男性6,806人、女性103人)2)

血友病とその類縁疾患の人数

血友病とその類縁疾患の人数

2)より作図

血友病患者および国民男性の人数(年齢別)

血友病患者および国民男性の人数(年齢別)

高齢者では、 C型肝炎やHIV感染症などの合併症のために血友病人口は少なくなっているが、 今後は治療薬の進歩により、 非血友病人口と変わらない分布を示していくと考えられる。

血友病患者の人口:令和3 (2021)年5月31日時点
国民男性の人口 :令和4(2022)年6月1日時点

2,3)より作図

1)World Federation of Hemophilia:
Report on the Annual Global Survey 2020, Oct. 2021.
2)公益財団法人エイズ予防財団:
血液凝固異常症全国調査 令和3年度報告書, 2022年3月
3)総務省統計局:
人口推計―2022年(令和4年)11月報―

血友病Aと血友病B、それぞれの重症度

血友病の重症度は、凝固因子活性の度合い、つまり「凝固因子がどのくらいはたらいているか」を目安に判定されます。

一般の人の凝固因子活性を100%としたとき、きちんとはたらいている凝固因子が一般の人の半分しかなければ、その人の凝固因子活性は50%ということになります。

血友病では、この凝固因子活性が5%以上(40%まで)の人を「軽症」、1%以上5%未満の人を「中等症」、1%未満の人を「重症」としています4)

凝固因子活性と血友病の重症度分類

凝固因子活性(%) 重症度
5%以上(40%まで) 軽症
1以上5%未満 中等症
1%未満 重症

4)より作表

血友病の重症度別割合

血友病の重症度別割合

2)より作図

2)公益財団法人エイズ予防財団:
血液凝固異常症全国調査 令和3年度報告書, 2022年4月
4)日本血栓止血学会, インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン作成委員会:
インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン, 2013年改訂版

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