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家族と考える保因者 【監修】国立病院機構大阪医療センター 感染症内科西田 恭治 先生
保因者について、家族内で早い時期から積極的に話をしているケースはそれほど多くはない
保因者は、家族(または同じ家系の人)から、どのくらい確定保因者あるいは推定保因者であることを知らされているのでしょうか。
血友病患者さんを対象に行った調査によると、「娘は自身が保因者であることを知っているか」との質問に対し、「知っている」と答えた人は半数にとどまっていました。これは、回答者の娘さんの半数以上(70名中38名)が未成年であったことを差し引いても、決して高い割合ではないといえます。
また、娘に「保因者であることを知らせた年齢」は、多くは20歳以前でしたが、20歳をすぎてようやく伝えたケースが約1/4もありました。
つまり、血友病患者さんが家族内にいる場合でさえ、保因者が、自分が保因者かもしれない、ということを知らされずにいることが少なからずあるようです。
そのため、自分が保因者であることを知らずに妊娠や出産に臨むケースが多くみられます。
娘は自身が保因者であることを
知っているか

保因者であることを知らせた年齢

2016 年 3 月 患者・家族調査研究委員会 / 特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権編
「ヘモフィリア患者のライフスキル調査報告書」
保因者がいるご家族の方へ―保因者について自覚することは、
保因者本人の健康管理のためにも大切
保因者が、自身が保因者であることを知らなかったために、出血が止まりにくい症状に対して適切な対処ができなかったり、出産時に赤ちゃんが出血してしまうなどの事態が起こってしまう、ということも少なくありません。
こうした不幸を防ぐためには、あまり遅くないタイミングで保因者である、あるいは保因者の可能性があることを伝えておくことが大切です。
本冊子でお伝えしてきたように、血友病であること、保因者であることは、適切に対処する方法がある現在では、将来の可能性を狭めるものではありません。
そのことを、保因者も、伝える人もしっかり心に留めておきましょう。

本冊子を手に取った方が、保因者の子どもを持つ血友病患者さんで、子どもにいつ、どのように伝えたらよいか迷われている場合は、ご自身の主治医や、看護師やカウンセラーに一度相談してみましょう。
保因者健診に行きましょう 冊子ダウンロード
MAT-JP-2104126-1.0-04/2021