血友病とは 【監修】医療法人財団 荻窪病院 血液凝固科 部長鈴木 隆史 先生
血友病とは
血友病は、血液凝固第VIII因子または第IX因子が他の人よりも不足しているか、はたらきが悪い疾患です。原因が第VIII因子の場合を血友病A、第IX因子の場合を血友病Bと呼びます。
血友病の人数は
世界血友病連盟(World Federation of Hemophilia:WFH)が2015年に集計したデータ1)によると、血友病をはじめとする血液凝固異常症の人々はわかっているだけで世界111ヵ国に304,362人いて、そのうち血友病は世界で187,183人いると報告されています。日本では2015年のデータ2)で、血液凝固異常症が8,053人、そのうち血友病Aが4,986人、血友病Bが1,064人となっています。血友病のほとんどが男性です。
血友病とその類縁疾患の人数

血友病とその類縁疾患の人数―年齢別

高齢者では、C型肝炎やHIV感染症などの合併症のために血友病人口は少なくなっているが、今後は治療薬の進歩により、非血友病人口と変わらない分布を示していくと考えられる。
血友病とその類縁疾患の人口:平成27年5月31日時点の年齢
男性の人口:平成27年人口動態調査のデータ
公益財団法人エイズ予防財団: 血液凝固異常症調査 平成19 〜27年度報告書.
総務省統計局: 平成27年人口動態調査より作成
血友病の重症度とは
血友病では、血液凝固因子が不足している・はたらきが悪い度合いは人それぞれ異なります。一般の人と比べてどの程度凝固因子が不足しているか、はたらきが悪いかは「凝固因子活性」で表します。一般の人の活性を100%としたとき、きちんとはたらいている凝固因子が一般の人の半分しかなければ、その人の凝固因子活性は50%ということになります。血友病ではこの凝固因子活性が、5%以上(40%以下)ある人を「軽症」、1%以上5%未満の人を「中等症」、1%未満の人を「重症」としています。
血友病の重症度

血友病の重症度別割合(%)
血友病A

血友病B

公益財団法人エイズ予防財団: 血液凝固異常症調査 平成27年度報告書. より作成
- 1) World Federation of Hemophilia : Report on the Annual Global Survey 2015.
- 2) 公益財団法人エイズ予防財団:血液凝固異常症調査.
MAT-JP-2104126-1.0-04/2021