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血友病患者さんの充実した人生のために。
「ヘモフィリアToday」では、患者さんとご家族の方々、そして患者さんをサポートされる方々のお役に立つ、血友病関連情報をお届けしてまいります。
【監修】東京大学医学部附属病院リハビリテーション部
理学療法士
後藤 美和 先生
筋力や関節痛、骨密度、関節柔軟性の改善
関節症や転倒、出血の予防
肥満や心疾患、高血圧、糖尿病など生活習慣病の予防
正常な神経筋の発達
不安やストレスの軽減
体力に合わせて、無理なくできる運動から取り組むことが重要です。
はじめて運動を行う際は主治医に必ず相談してください
運動は痛みのない範囲で深呼吸をしながら行ってください
万が一、強く痛みが出た場合、中止してください止血療法を行い、冷却や安静を行っても改善しない場合は医師の診察を受けてください
運動は毎日しなくてもよいので、運動量を調節しながら継続しましょう
運動回数は翌日まで疲労感が残らない範囲で、 徐々に増やしていくとより効果的です
膝に不安を感じる方
運動不足の方
大腿四頭筋の強化
膝の可動域の拡大
右足で左足をおさえるように力を加えながら左膝をゆっくり伸ばします
膝を伸ばし切ったところで5-7秒保ちます
スタートのポジションに戻るときも両足で押し合いながら膝を曲げるとより効果的です
次は、左足を右足の上にクロスさせて同様に行いましょう
足首や歩行に不安のある方
下腿三頭筋の強化
歩行のスピードの改善
バランスの改善
壁や家具を軽くさわりながら、立ちます
両足のかかとをできるだけ高く持ち上げます
ゆっくり戻します
数回繰り返します
下肢やバランスに不安のある方
バランスの改善
歩行時の上半身の動揺を減らす
両膝を立てて仰向けになります
上半身とふとももが一直線になるようにお尻を持ち上げます
5-7秒保ち、ゆっくりお尻を下ろします
下肢に不安のある方
股関節や膝の柔軟性の改善
椅子やベッドの端に座ります
膝を伸ばしたまま、体を前に倒します
太ももの後ろ側のハムストリングスが伸びていることを意識します
30秒保ち、ゆっくり戻します
反対側も同様に行います
膝が完全に伸びない場合は膝裏にタオルなどを入れると良いでしょう
足首に不安のある方
足首の可動域改善
壁や家具などを支えにして立ちます
ストレッチする側の足を一歩真後ろに引き、かかとを床につけ膝を伸ばします
かかとを床につけながら、前足の膝をまげることで、後ろ足の足首をまげていきます。ふくらはぎが伸びていることを意識します
30秒保ち、ゆっくり戻します
反対側も同様に行います
肘が伸びにくい方
肘の可動域改善
右肘を伸ばしたい場合、右手首の少し手前を左手で持ちます
左手の力で、右手を鉛直方向に引き伸ばします
右肘 の内側・上腕二頭筋が伸びていることを意識します
30秒保ち、ゆっくり戻します
反対側も同様に行います
バランスに不安のある方
バランスの改善
安定した歩行の獲得
壁やテーブルにつかまりながら片足で立ちます
壁などを支える力を徐々に抜いていき手を離します
30-60秒を目標にバランスをとります
転倒しないように、バランスを崩しそうになったら、無理をせず壁などを再び支えにしましょう
反対側も同様に行います
バランスに不安のある方
バランスの改善
安定した歩行の獲得
壁やテーブルにつかまりながら、左右の足のかかととつま先をくっつけるようにして立ちます
壁などを支える力を徐々に抜いていき手を離します
30-60秒を目標にバランスをとります
転倒しないように、バランスを崩しそうになったら、無理をせず壁などを再び支えにしましょう
反対側も同様に行います
MAT-JP-2103953-1.0
2021年5月作成