日常生活ガイド

国内旅行・出張の準備

国内旅行・出張の準備

旅行は心躍るイベントですが、いつもと違う環境での注射や、慣れない場所での出血に対する不安など、心配なことも多いかもしれません。

旅行や出張に行くことが決まったら、まず主治医に相談して指示を仰ぎ、必要な情報を集めましょう。事前の準備さえしっかり整えていれば大丈夫。安心して、旅行や出張に行くことができます。

国内での旅行や出張の場合は、次の①~⑤の内容を確認し、チェック項目に漏れがないよう準備しておきましょう。

国内旅行・出張の準備

①主治医に旅行先、滞在日数、旅行の目的、活動内容などを伝え、情報収集をしておきましょう

下記の情報や注意点の他にも、不安な点があれば事前に相談しておくと安心です。学校や会社などの旅行の場合は、これらの情報を紙に記載するなどして、同行の教師・責任者の方へ伝えておくのがよいでしょう。

  • 必要な製剤の数
  • 旅行中の注意点
  • 旅行先の血友病診療施設の場所や連絡先
  • 出血があったときの処置の確認
  • 緊急時の対処方法
  • 旅行中の主治医への連絡方法や連絡先

②主治医の指示に従い、製剤の準備をします

  • 旅行日数分より少し多めの凝固因子製剤・輸注セット・駆血帯・注射器と針の廃棄容器を準備し、破損対策をしてバッグに入れましょう。
  • 凝固因子製剤には常温保存のできるものがあり、30℃以下ならそのまま持ち運ぶことができます。30℃を超える可能性があったり、きちんと温度管理しなければいけない製剤の場合は、保冷バッグと保冷剤を用意しましょう。
  • 飛行機に乗る際は、製剤類はできるだけ機内に持ち込む手荷物の中に入れておきましょう。医師から処方された医薬品や、在宅自己注射薬剤を投与するために使用する自己使用注射針については、機内に持ち込むことができます1,2)
主治医の指示に従い、製剤の準備をします
  • 航空会社によっては、チケット予約時に製剤持ち込みの事前登録が必要だったり、持ち込むものが医薬品や自己使用注射針であることが明示できるよう、処方箋や主治医の診断書、診療情報提供書、医療券などのいずれかの書類の提示を求められる場合があります。そのため持ち込みに関する最新情報は、利用する航空会社に事前に問い合わせるとともに、国土交通省のホームページ3)を確認しておくとよいでしょう。
1)ANAホームページ
2)JALホームページ
3)国土交通省:機内持込・お預け手荷物における危険物について

③滞在先施設や交通機関に、事前の確認をしましょう

  • 保冷が必要な製剤を使用する場合は、滞在先で冷蔵保管ができるかどうかを確認しておきましょう。
  • 関節症などがある人は、事前に滞在先施設や交通機関に連絡しておくと、部屋や座席などの位置を配慮してもらえることがあり、移動も楽になります。

④必要な書類などを準備しましょう

健康保険証または健康保険証として利用登録されたマイナンバーカードは忘れないように、必ず持って行きましょう。また緊急時に備えて、第三者に血友病であることを示す患者カードを携帯するとよいでしょう。

  • 健康保険証または健康保険証として利用登録されたマイナンバーカード
  • 患者カード
患者カード サンプル(日本語)

⑤血友病のお子さんが旅行に行くとき

  • 修学旅行などでは、旅行中にお子さんが自分で注射をしなくてはならない場合があります。自己注射に慣れていない場合は、前もって練習しておきましょう。
  • 事前に学校へ血友病であることや注意点などを知らせておき、旅行中に注射をするタイミングや場所など、配慮してもらえるよう頼んでおきましょう。
  • 主治医に旅行内容やスケジュールを伝え、薬の量や投与のタイミングなどについて相談しておくとよいでしょう。

訪問看護

海外旅行・出張の準備