血友病とは
血友病の検査
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血友病の症状
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血友病AとBの違い
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血友病性関節症
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血友病の遺伝と保因者
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血友病のお子さんと保護者の方へ
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学校・保育園などの先生方へ
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血友病の歴史
血友病では、患者さんの状況に合わせて、さまざまな検査が行われます。ここでは、血友病診療で行われる主な検査を解説します。
血が止まりにくい原因を調べる検査
血友病が疑われるような出血症状がみられたり、家族に血友病の方がいたりする場合には、血液検査を行ってなぜ出血が止まりにくいのかを確かめます。
| 検査項目 | 基準範囲 | 検査内容 |
|---|---|---|
| 出血時間 | 1~3分 | 通常は基準範囲内で血が止まりますが、それよりも大幅に延長する場合は血液凝固異常が疑われます。 |
| 血小板数 | 15〜35万/μL | 一次止血に重要な役割を持つ血小板の数を測ります。血友病は血小板の異常によって起こる病気ではないため、血友病患者さんの多くは血小板数が正常値です。 |
| APTT (活性化部分トロンボプラスチン時間) |
30~40秒 | 血液凝固第VIII(8)因子と第IX(9)因子が関与する経路で血が固まるまでの時間を測定する検査です。血友病の患者さんでは、この時間が50~150秒に延長します。 |
| PT (プロトロンビン時間) |
11~15秒 | 血液凝固第VIII因子と第IX因子が関与しない経路で血が固まるまでの時間を測定する検査です。血友病患者さんの多くは、PTが正常値です。 |
1)より改変
血友病の確定診断
血友病であることが疑われたら、凝固因子活性を検査し、原因となる凝固因子のはたらきを確かめます。
| 血液凝固検査 |
血液凝固第VIII因子または第IX因子がどのくらいはたらいているかを確かめる検査です。正常な凝固因子活性を100%とした場合に、その患者さんの凝固因子活性が何%であるかを調べます。 軽症:5%以上(40%まで) |
|---|
インヒビターの有無を確認するための検査
血液凝固因子製剤による治療を行っていると、体内に注入された製剤を異物とみなしてそれを排除しようとする、「インヒビター」が発生してしまうことがあります。インヒビターが発生すると製剤の効果が得られなくなってしまうため、インヒビター力価測定(インヒビターがどのくらい発生しているのかを調べる検査;ベセスダ法)が行われます。
その他の検査
フォン・ヴィレブランド病との鑑別検査
第VIII因子活性の低下が認められた場合には、フォン・ヴィレブランド病との鑑別のために、下記の検査が行われます。
- フォン・ヴィレブランド因子活性(リストセチンコファクター)測定
- フォン・ヴィレブランド因子抗原量測定
- フォン・ヴィレブランド因子の第VIII因子結合能測定
後天性血友病の鑑別検査
第VIII因子や第IX因子の活性低下が、先天的なものなのか後天的なものなのかを確認するために、下記の検査が行われることがあります。
- クロスミキシング試験(混合試験)
血友病性関節症の検査
血友病では、関節内の出血が繰り返されることによって、関節に障害が起こることが少なくありません。この状態を「血友病性関節症」といいます。血友病性関節症が悪化すると、日常生活動作や生活の質(QOL)にも影響が及ぶため、定期的に関節の状態を確かめる検査が必要となります。
| 理学検査 | 出血症状、腫れ、痛み、関節の音、可動域、筋力、日常生活動作などをチェックします。 |
|---|---|
| 画像検査 | X線検査、超音波検査、 MRI検査などの検査を行い、関節がどのような状態なのかを確認します。 |
1)白幡聡, 福武勝幸編:みんなに役立つ血友病の基礎と臨床(改訂3版), 医薬ジャーナル社, pp.126-137, 2016
最終更新日 2026年2月13日
MAT-JP-2501589-2.0-02/2026